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サーバー事業に拡大するLenovo、IBMのPCサーバー事業を買収 (サーバー市場への影響は?)

サーバー市場への影響は?

 サーバー市場はいま、激動期にある。以前から進んでいたコモディティ化と低価格に加え、クラウドブームが押し寄せている。企業はサーバーハードウェアを買うよりもAmazon Web Servicesなどのクラウドサービスで処理能力やストレージを調達する動きが広がっており、クラウド事業者は大規模なデータセンター構築に忙しい。さらには、Facebookが中心となって進めているデータセンターハードウェア設計のオープンソースプロジェクト「Open Compute Project」は、サーバーベンダーの役割を根本から変える可能性ももたらす。

 Lenovoのx86サーバー市場本格参加は、同市場にさらなる影響を与えることになりそうだ。この市場で、Lenovoは3位としてトップのHewlett-Packard(HP)、2位Dellの後を追うことになるが、2005年のPC買収のときのパターンを踏襲すれば、上位2社を脅かすシナリオも十分考えられる。

 「LenovoはPCのコストを下げて市場を獲得した。同じことをサーバーで行うだろう。将来的にはネットワークやストレージ分野にも拡大するのではないか」とISI International Strategy and Investmentのアナリスト、Brian Marshall氏はComputerworldに述べている。

 IBMは、2013年第4四半期の決算で7四半期連続で減収となった。足かせとなっていたハードウェアをLenovoに売却することで、今年はIBMは好転するとMotley Foolは予想する。“捨てる神あれば拾う神”だが、お荷物のPCサーバーがLenovoの手によって、新たな価値を持つようになるのか、興味深いところだ。

岡田陽子=Infostand