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「信頼性ゼロ」と「普及・拡大」が同時進行 2014年クラウド業界展望 (IT部門は「運用」と「イノベーションセンター」の2役時代へ)

IT部門は「運用」と「イノベーションセンター」の2役時代へ

 CIO.comは、CIOとIT部門全体の動向をまとめている。

 大きなテーマはコンシューマリゼーションであり、「エンタープライズのユーザーも、自分が望むとき・ところで・やり方でオンデマンドでサービスが配信されることを期待している」という。そのため、ITの役割は、従来の「システムの運用」に加え、「新しいソリューションをもたらす革新者」であることも求められているという。ITサービスVerizon TerremarkのCTO、John Considine氏は「2つの役割が同時に共存し、企業がイノベーションしたり、敏捷に動いたり、前進する土台となる。これが2014年にITがどう機能するのかの中心となる」とコメントしている。

 その上でのクラウド分野の予言として、(1)パブリック/プライベート/ハイブリッドクラウドのセグメント化が進む、(2)人事とマーケティングがハイテクイノベーションの推進役になる、(3)CIOはクラウドの実現役になる、(4)小規模企業がSAP、Oracleなどのエンタープライズソフトウェアにアクセス可能になる、(5)ソフトウェア開発はアプリケーション中心型へ進む、(6)ITは中央集権から分散型になる、(7)高度化するクラウド、(8)マシン間通信を推進するクラウド――などを挙げた。

 このうち、すぐにメリットが得られそうなものが、(1)(3)(7)だろう。クラウドのセグメント化は、これまで“クラウド”としてひとくくりにされてきた、さまざまな形態のクラウドサービスがより明確に分類され、それぞれが適した用途について理解が進むとみる。データベースやインフラを共有してもよいのか、性能はどれぐらいのレベルを求めるのか、などクラウドに求めることが明確になり、選択されていくという。クラウドの高度化では、ビックデータと関連する動きで、収集したデータから洞察を得て、よりよい意思決定につなげるためのサービスや機能を提供する事業者が増えるという予想だ。

 クラウドはまだ新しい技術であり、まだまだ進化途上だ。それぞれの動向予測からは、今後も影響が広がっていくことがうかがわれる。

岡田陽子=Infostand