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Perot SystemsをNTTに売却へ、EMC買収に向けて技術資産をそぎ落とすDell

「Dellは逆方向に向かっている」

 DellにとってPerot売却はEMC買収に向けた重要な資金確保策となる。Reutersなどによると、Perotのほか、IT管理のQuest Software、電子メール暗号化やデータ保護技術のSonicWallも売却の可能性を探っているという。Dellはまた、2011年に買収して傘下に収めたITセキュリティサービスのSecureWorksのIPO計画も明らかにしている。

 Dellは、一度買収した技術資産を次々にそぎ落とす格好となる。Network WorldはPerotの売却を「残念」と評価した。「IBMと競合するために取得したサービス事業だ。IBMはハードウェアを売るサービス企業となり、Hewlett Packard EnterpriseはPerot氏の最初の企業EDSを買収した」と経緯を分析しながら、Perot Systemsを活用すればハードウェアのみに依存しない多様化が図れたのに、「Dellは完全に逆方向に向かっている」と述べている。

 Dellは統合を統括する最高統合責任者、Rory Read氏が従業員にあてた公開書簡を、証券取引委員会(SEC)に提出している。

 「ここ数週間、取引が財務面で逆風にあるといううわさがあるが」としながら、「借入による資金調達が難航しているなどといううわさはわれわれの財務を反映していない」と否定。取引は予定通り5月-10月の完了を見込んでいると強調している。

 Dellの世界最大規模のハードベンダーへの道は、戻ることのできない大きな賭けだ。今、大詰めを迎えている。

岡田陽子=Infostand