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次は半導体の外販進出 Amazonの狙いとインパクト

Intelにとっては脅威か?

 Amazonのチップ進出がIntelにどんな影響を与えるのかにもメディアは関心を寄せている。ARMは少しずつサーバー分野への拡大を図っている。AMDがARMベースのサーバーCPUの開発に踏み切ったという動きもある。

 だが、Market Realistは、Intelチップのデータセンター市場でのシェアは99%を占め、これまでARMの影響はほとんどないとした上で、Annapurnaのターゲットはハイエンドのサーバーではなく、「Intelとの競合には、ならないだろう」と見る。

 一方で、AnnapurnaがAWSの社内のデータセンターで利用された場合こそ、Intelの脅威になる、との見方もある。Amazonは社内でサーバーなどのハードウェアを設計する方向を強めており、「Intelに影響があるとすればAmazonからの受注が減るだろう」とMarket Realistは述べている。Business Insiderも、Amazonからの受注が減ることはIntelにとって長期的には脅威になるとしている。

 Intelが1月13日に発表した決算では、PC需要の低迷を受けてクライアントコンピューティング事業の売り上げは前年同期比1%減のマイナスとなった。デスクトップ、ノートブック、タブレットはすべて出荷数が前年同期比減となるなど、PCの凋落ぶりが顕著になっている。

 PCからモバイルへ、そしてIoTへと時代は変化している。AmazonのAlpine発表は、そんな中で大胆に従来の業界の区分を越えて、拡大を図るものといえるだろう。

岡田陽子=Infostand