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ISへの宣戦布告 Anonymousの“サイバー戦争”

本当にIS関係者か?

 このようにAnonymousの“サイバー戦争”は、これまでのところ、Twitterアカウントへの攻撃となっているようだ。このAnonymousの攻撃に対する専門家の意見はさまざまだ。

 Anonymousのハウトゥー・ガイドを調べたNew York Timesによると、その中には、疑わしいアカウント名のリスト、ソーシャルメディア上でキーワードを検索して、ボットを使ってTwitterに不適切な活動をレポートするツールなどが含まれているという。

 New York Timesは、キーワード検索はISのリクルーターを遮断するのに役立ったとしているが、同時に不完全さも指摘する。3月にサイバーアクティビストがIS支持者と考えられるTwitterアカウント2万件以上を洗い出したが、実際はニュース組織やジャーナリストのものがあったという。

 非営利のシンクタンクForeign Policy Research Institute(FPRI)でテロリズムを専門とするLawrence Husick氏は「キーワード検索という戦術は、ISをモニタリングしている人のアカウントも閉鎖してしまう可能性がある」と語っている。また、「ISISはすぐに新しいアカウントを取得している」とも述べ、攻撃の有効性についても疑問を投げかけた。

 一方、Twitterによるコミュニケーションを妨害するという手法に、過激派と戦う非営利団体Counter Extremism Projectの代表を務めるMark Wallace氏は好意的だ。「アカウントが閉鎖されるたびに、その人物のTwitter上の存在感が弱まることになる」と述べている。また、サイバーセキュリティ企業Lieberman Softwareの製品戦略担当バイスプレジデント、Jonathan Sander氏はCNBCに対し、インターネットはISにとって重要なリクルートの場所となっており、「AnonymousがインターネットからISを一掃できれば、それは企業での売り上げを制限するようなものになる」と例える。

(岡田陽子=Infostand)