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Google Glassは流行らない? 一般販売を前に“失敗論”

アプリ開発者に訴求できるか

 もちろんGoogle自身が失敗と認めたわけではない。Googleの広報担当は「これまでと同様、Glassにコミットしている」とし、これまでの成果に満足しているとComputerWorldに述べている。

 価格の問題はGoogleも認識しているようだ。Cnetによると、Google Glassを開発するGoogle X部門トップのAstro Teller氏は「価格が半分になれば、真剣に購入を考えている人が購入する比率が約10倍になる」と述べ、「200ドルはかなり適切なラインだと思う」と述べている。

 価格、形状などの課題はクリアしたとして、最も重要なエコシステムという問題がある。Glassの成功はエコシステムにかかっているのだ。その点で、ComputerWorldは気になる話を紹介している。

 「ユーザーと開発者の両方がGlassへの関心を失い始めているのは間違いない。エコシステムを構築したことがある人なら誰しも、開発者が必要としているのは、よい話であっても悪い話であっても継続的なコミュニケーションだということを知っているはずだ」とMoor Insights& Strategyのアナリストは言う。Google自身がGlassについての不明確さを払拭する努力が求められる。

 一方、Appleが9月に発表した「Apple Watch」により、開発者の関心がスマートウォッチに向き始めたとしてもおかしくない。Appleは先週、Apple Watch向けのSDK「WatchKit」も公開したところだ。

 「開発者の心と魂(Heart & Soul)をつかむ」。スマートフォンでよく言われた決まり文句はここでも当てはまる。Googleの次の一手が待たれる。

岡田陽子=Infostand