Infostand海外ITトピックス

遂に世界3位 “中国のApple”Xiaomiの躍進

特許訴訟が待ち受ける?

 Xiaomiの躍進の原動力は巨大な地元市場、中国だ。中国外の消費者がXiaomiを受け入れるかが、Xiaomiの今後を見る上でのポイントとなる。そこで注目されているのが元GoogleのHugo Barra氏の役割だ。

 Xiaomi旋風が吹き荒れていることは中国外でも報じられていたが、Xiaomiを世界の要ウォッチ企業に決定づけたのは、GoogleでAndroidを担当していたBarra氏の移籍だろう。Barra氏は2013年8月にXiaomiに移籍。居住地もサンフランシスコから中国に移し、その後Xiaomiで国際担当バイスプレジデントとして中国外の展開を統括している。

 国外展開が本格化したのは今年だ。既に、シンガポール、インドネシア、インドなどの市場に参入しており、アジア市場のほかブラジルやメキシコなどの南米市場も視野に入れているといわれている。

 だが、Xiaomiの国外展開について、The Guardianは中国企業であることが足かせになりかねないと指摘する。例えば、インドではデータ監視の恐れを理由に、軍関係者によるXiaomi端末の利用に警告が出されたという。これを受け、Xiaomiは「ユーザーの許可なしにデータを収集することはない」と公式に述べ、さらにはインドにデータセンターを構築した。今後、米国に進出するような場合、テクノロジー分野にも波及している米中の緊張関係の影響を受ける可能性も否定できない。

 もう1つ危惧(きぐ)されているのが特許・知的財産権訴訟だ。スマートフォン分野は立ち上がり期に特許訴訟が相次いだ。その後、多くが和解し、現在大型のものはSamsung対Appleぐらいになっている。Wall Street Journalは、Xiaomiが米国や欧州に進出すると訴訟にぶつかるだろうとの見方を紹介する。

 例えば、iPhoneに似たスマートフォンについて聞かれたAppleのデザイン担当トップJonathan Ive氏は、Xiaomiを名指しで指摘することはしなかったものの「盗み」「(デザインに)手を抜いている」などと非難したという。だが、Barra氏は特許訴訟がXiaomiの国際展開戦略に影響することはないと見ているようだ。Wall Street Journalのイベントに出席したBarra氏は「他社と同じ」として、中国で多数の特許申請を行っており、国外では特許ライセンス合意を結ぶ計画を示唆した。

(岡田陽子=Infostand)