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「CentOS 8」代替OS登場 打ち切りショックから4カ月

 「CentOS Linux」開発終了の発表から約4カ月。突然のことに騒然となったユーザーは、それぞれの対応策を模索しているようだ。そうした中、“代替OS”の一つである「AlmaLinux OS 8.3」が公開された。さらに「Rocky Linux」も後に続こうとしている。また、Red Hatも新プログラム拡充を発表、コミュニティのつなぎ止めを図っているようだ。

AlmaLinux、ついにGAに到達

 RHEL(Red Hat Enterprise Linux) 8ベースのCentOS 8は2029年までサポートされるはずだった。しかし昨年12月8日、Red Hatは新しいアップストリームプラットフォームの「CentOS Stream」に集中するため、CentOS 8の開発を2021年末に終了すると発表した。

 運用環境でCentOS 8を利用しているシステム管理者は、今年中に、RHELの有償ライセンスを購入するか、他の手段をとるかを迫られている。CentOSは個人や中小企業だけでなく、大企業でもかなりの利用があり、影響は大きい。そこで動き出したのがLinuxコミュニティの有志たちだ。

 まず12月9日、CentOSのオリジナル開発者の一人、Gregory Kurtzer氏が「Rocky Linux」を発表した。CentOSプロジェクト共同創設者の故Rocky McGough氏の名をとったという新プロジェクトには、「1日で、数千人の支援者がプロジェクトへの参加を希望した」(Kurtzer氏)という。現在、プロジェクトページには、AWSもスポンサーとして名を連ねている。

 そして翌週12月15日には、CloudLinuxが「Project Lenix」を発表した。同社はホスティング事業者やデータセンター向けのLinuxディストリビューション「CloudLinux OS」を開発している。その経験を生かし、Lenixを非営利のコミュニティとして推進。開発とメンテナンスに年間100万ドルを投じるとも表明している。

 正式名称は「AlmaLinux OS」と今年に入って決定し、最初のベータ版を2月に公開していた。

 そして3月30日、ついにRHEL 8.3互換の「AlmaLinux OS 8.3」がGA(一般公開)となった。最初の発表から3カ月半、当初の「2021年第1四半期中」という約束を果たしたものだ。