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韓国取引所にサイバー攻撃 急騰する仮想通貨取引に狙い

乱高下する仮想通貨

 韓国は世界的にみても、仮想通貨の取引が急増している。事件はその中で起きたものであり、今後、仮想通貨を狙う犯罪も各地で増えてゆくと考えられる。最近、仮想通貨の価値は急騰している。

 7月4日付のWall Street Journalは、最近のBitcoinとEtherの取引の荒れ方を伝えている。例えば、4月1日に1079ドルでスタートしたBitcoinは6月11日に3倍近い最高値3019ドルをつけた。これは過去最高記録にあたる。そして、数日で27%下落した。Etherも同様で、6月12日に395ドルの高値をつけたが、これは1年前の50倍近い高騰ぶりだ。そしてその後、瞬時にして下落する“フラッシュ・クラッシュ”状態になったという。

 仮想通貨は新しく、取引の集中の予測がつきにくい。また仮想通貨市場は投資マネーの流入で過熱しており、これが乱高下の一因になっている。

 背景には、日本で4月から仮想通貨が正式な決済手段として認知され、取引の手続きが整備されたことなどの要因もある。仮想通貨の取引データをまとめている英CryptoCompareによると、日本は2016年まで世界のBitcoin取引の1%程度を占めるにすぎなかったが、今年に入ってその比率は30%以上に跳ね上がり、現在は米ドルと1、2位を争っている。韓国ウォンの比率は10%弱で4位の位置だ。

 また、「ICO」(Initial Coin Offering)と呼ばれる資金調達のトレンドもWall Street Journalは指摘する。一般の人から資金調達するクラウドファンディングと、株式発行を組み合わせたような仕組みで、ベンチャーキャピタルからの資金調達に比べ、瞬時にできるの特徴だ。このため、この手法を選ぶベンチャー企業が増えているという。

 有名なところでは、分散予測市場プラットフォームのGnosisのICOが今年4月、10分間で1250万ドルを調達して一躍注目を集めた。その後成功例が増えている。Wall Street Journalはその一方で、ICOに関する規制はないに等しく、ICOで資金調達しようとする企業には、実体不明のペーパーカンパニーもある、と報じている。

 CryptoCompareでCEOを務めるCharles Hayter氏は「根本的なシフトが起きている。そして価格上昇に期待が集まっている」とWall Street Journalに語っている。