Infostand海外ITトピックス

コンテナオーケストレーションのKubernetesを推進 MicrosoftのDeis買収

KubernetesとMicrosoftの深い関係

 MicrosoftとKubernetesは以前から関係がある。2014年にKubernetesが一般公開されると、Microsoftは、その1カ月後にはAzureでの初期サポートを表明した。2016年にはAzureのネットワーク機能に対応したKubernetes 1.4が登場し、同年秋には、Azure Container Service(ACS)がKubernetesに対応すると発表。この機能は翌2月に一般提供(GA)扱いとなっている。Microsoftは並行して2016年に、Kubernetesの共同創業者であるBrendan Burns氏をパートナーアーキテクトに迎えている。

 MicrosoftはACSでDocker Swarm、Mesosなどの主要なオーケストレーション技術をサポートしているが、そんな中でDeisを買収したことは、Kubernetesの重要性を認めたものと言える。Market Realistは、運用環境で利用されているコンテナオーケストレーション技術のシェアを挙げているが、カスタム開発に次いでSwarm、Kubernetes、Mesosという順で、Kubernetesはトップではない。だが、その勢いは、IBMも最近、Kubernetesをベースにしたコンテナサービスを発表したことに見られるように、目覚ましいものがある。

 Microsoftの狙いは、Guthrie氏が言う通り、Azureをコンテナ開発で魅力的なクラウドプラットフォームにすることだ。DeisのCTO、Gabe Monroy氏も「新しいクラウドネイティブアプリケーションを定義し、形作り、そして構築するという点で、Microsoftの深さ、幅広さ、そしてリーチの広さに驚いている」と述べている。

 この戦略は、AWS(Amazon Web Services)との戦いという点からも分析できる。GeekWireはMicrosoftがこのところコンテナのサポートを積極的に進めていることについて、「顧客がコンテナ技術を最大限活用してクラウドベースのアプリケーションを開発しようと考えており、クラウド事業の競争の面からコンテナのサポートが重要になっている」と指摘する。また別の記事は、主要なコンテナオーケストレーション技術をサポートするMicrosoftの“全方位的”アプローチが、差別化につながっているとのTola Capitalのアナリストのコメントを紹介している。

 そして、現状、大企業の多くはまだコンテナをテストしている段階で、「Microsoftにとっては、Kubernetesを連携させるための時間がある」(TechTarget)という。