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DevOpsに強力ツール チャットボットを組み合わせた“ChatOps”

「昨夜のダウンの原因は?」と話しかける

 CIOは、ChatOpsがDevOpsの問題を解決するものと位置づけている。問題とは、「チームがバラバラに分散していることがある」(Forrester ResearchのアナリストのMilan Hanson氏が指摘)ということだ。

 ChatOpsなら、「作業を自動化するボットがあり、まるで別の人のようにチャットで問題に対応する。ボットがやってほしいことをやり、結果をチャットチャネルに返してくる。つまり、全員が見ることができる」とHanson氏は言う。また非常時には、バーチャルな“司令室”に全員が集まることができる、と例を紹介する。これによって、自動化だけでなく、作業の速度やコラボレーションが改善され、透明性にもつながるとしている。

 CIOは実際の導入例として、アプリケーション性能モニタリングのDynatraceが新たに導入した「Davis」を紹介する。DavisはAI技術を基盤とした仮想アシスタントで、実に直感的に利用できる。「キャパシティの問題は起きていないか?」「昨夜のサービスダウンの原因は?」などとAlexaに語りかけるか、Slackにチャットすると、ボットが回答を返してくる。Dynatraceは、IT担当はSlack、幹部はAlexaを利用すると想定しているようだ。

 Davisを導入しているデンマークCoopのアプリケーション性能マネージャーは「ITチームメンバーに話しかけている気分だ。もっとも人間の場合はそれほど高速に、かつ正確に根本原因を検出してくれないが」とコメントしている。

 ストレージアプライアンスと仮想マシン管理のTintriは、自社データセンターとクラウドの自動化にChatOpsを導入している。年末商戦に備えるにあたって、Slackで従業員が500のテスト用仮想マシンのスピンアップにTintribotを注文。テラバイトレベルの仮想マシンの運用データを収集したという。また、Alexaを使った仮想マシンのプロビジョニングや、スナップショットの取得などを行ったという。

 こちらもやはり、SlackとAlexaという組み合わせだが、これについてCIOは「企業はコラボレーションやタスクを迅速に処理するにあたって、SlackまたはAlexa内にワークフローを統合しようとしている」と伝えている。

 CIOはこのほか、Salesforce.comの開発チームも“Concierge”という自社内検索ツールにSlackとAlexaを統合するテストを行っていることを紹介している。