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スマートフォン市場は2017年に回復? そしてAIアシスタントへ向かう

AIアシスタントに商機

 Accentureの調査では、「音声対応デジタルアシスタントデバイス」についても聞いている。AIを利用して、音声インターフェイスで質問に答えたり、操作連携ができたりするデバイスのことで、「Amazon Echo」「Google Home」などが代表的な製品だ。

 現時点でこの種の製品を所有している消費者は4%と決して多くはないが、特徴的なのは、その65%が「日常的に使っている」と回答したことだ。「(AIベースのデジタルアシスタントという)新しい技術が確実に受け入れられている」とAccentureはコメントしている。

 こうした機能は、AppleのSiriなどの形でスマートフォンにも組み込まれており、Accentureの調査では14歳から17歳では5人中4人が「使ったことがある」または「使ってみたい」と答えたという。特に若い層の受け入れが進むことが予感できる。全体としてAIを活用したパーソナル端末全般への関心は高く、「個人用ヘルスケア」(60%)、「スマート旅行アシスタント」(59%)、「エンターテイメントアドバイザー」(51%)などが興味ある分野として挙がったという。

 スマートフォンの“Next Big Thing”を占ったWall Street Journalも、ハードウェアよりもソフトウェアやサービスがスマートフォンの革新を加速すると予想する。同紙は「AIは視覚および音声の認識技術を飛躍的に進化させた」とAIを評価する。そしてAmazon EchoとSnapchatのSnapが2016年に発表した初のハードウェア製品「Spectacles」を例にとり、ハードウェアとアプリケーションを組み合わせて簡単に使えるようにした端末を「フリクションレス・コンピューティング」と呼ぶAndreessen Horowitzのアナリストのコメントを紹介している。

 ソフトウェアがけん引するという面から、Wall Street Journalはハードウェアとソフトウェアを組み合わせるAppleモデルを追う動きに注目する。これまでAndroidの提供にとどまっていたGoogleも昨年10月、ハードウェアから開発してGoogle Assistantを統合した「Google Pixel」を投入している。

 その向かう先は、ホームスピーカーやテレビをコントロールするデバイスになるのではないか――。 Qualcommのプロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデントのRaj Talluri氏は、Wall Street Journalにこう語っている。「電話はハブになるんだ」。